
店舗スタッフが在庫を調べるたびに本部へ電話していると、お客様への回答に時間がかかります。
また、本部の担当者が各店から届いた売上を報告用の表へ転記している場合は、同じ数字を入力し直す手間もかかります。
販売・在庫管理のシステムを導入した企業では、こうした情報の確認や集計の仕事がどのように変わったのでしょうか。
この記事では、スマホアプリでできることを確認したうえで、弊社の「Creative Vision.NET(CV.net)」を導入いただいた企業の事例を紹介します。
情報共有・接客・帳票作成の変化をたどりながら、スマホ導入でつまずきやすい点と、「Creative Vision.NET Smart Solution」で利用できる機能も解説します。
1. スマホアプリで販売・在庫管理をおこなうメリット
スマホアプリを使う利点は、商品がある売場や倉庫で、情報を確認して記録できることです。
紙からPCへの転記や、在庫を調べるために事務所へ戻る回数を抑えられます。
以下では、店舗データの即時把握や一元管理が、日々の作業や入力ミスの防止にどうつながるかを説明します。
1.1. 店舗データをリアルタイムで把握
PCのExcelに在庫表があっても、接客中のスタッフがその場で開けなければ、在庫を調べる間、お客様をお待たせすることになります。
こうした場面では、本部のデータと連携するアプリを使えば、売場や倉庫から自店・他店の残数を調べられます。
例えば、希望のサイズが自店にないときも、在庫のある店舗を確認して取り寄せ先の候補をお伝えできます。
また、売上速報に対応するアプリでは、外出中のエリア担当者も各店の実績を確認できます。
店舗へ報告を頼む前に数字を把握できるので、訪問先で売れ行きの変化について話し合いやすくなります。
1.2. 各種店舗業務の効率化
棚卸で数えた数量を紙へ控え、閉店後にPCへ入力しているなら、数える作業とは別に転記の時間がかかっています。
そこで、バーコードを読み取って数量を登録できるアプリを使えば、現場での確認と記録を続けて行えます。
また、発注業務でも、残数に加えて発注済みの数量を参照できれば、注文の漏れや重複に気づく手掛かりになります。
さらに、販売データからレポートを出力できる製品なら、店舗ごとの数字を報告用に集め直す負担も抑えられます。
1.3. データの一元管理
店舗・EC・本部で商品コードや集計期間が違うままでは、販売数を集めても同じ条件で比べられません。
そこで、コードや期間をそろえて販売記録を集約すれば、担当者ごとに表を作り直さずに済みます。
これにより、本部は店頭とECを合わせた売れ行きから、補充や配分を検討できます。
また、在庫情報も共有すれば、店舗スタッフは各店の販売数と残数を比べ、本部へ補充を依頼する商品や数量を絞り込めます。
1.4. 業務ミスの削減
紙から在庫表、在庫表から基幹システムへと書き写す回数が多いほど、品番や数量を取り違える機会も増えます。
現物のバーコードから商品を特定し、その場で数量を登録すれば、コードの手入力と後からの転記を減らせます。
ただし、数量や入庫先の選び間違いまで防げるわけではありません。
それでも、品番・コードの手入力や転記による取り違えを抑えれば、担当者が後から記録を照合・修正する手間も少なくなります。
2. 【事例】販売・在庫管理のシステム導入が企業にもたらす変化
弊社のCV.netなどを導入いただいた5社について、6つの業務の変化を紹介します。
以下はシステム導入による成果であり、スマホアプリの利用実績を示すものではありません。
各社の運用や成果は、取材時点の内容です。
Smart Solutionで行える操作は、これらの事例とは分けて第4章で紹介します。
2.1. 販売・在庫管理をデジタル化し、業務効率化を実現した事例
2.1.1. 卸事業部と小売事業部の情報共有を円滑化
三高様では、卸事業部と小売事業部で異なる基幹システムをお使いになっており、部門をまたいだ売上分析と在庫の共有に課題をお持ちでした。
この状況に対し、弊社のCV.netと顧客管理システム「Loyal Customer Vision」を導入いただきました。
導入後は卸・小売の情報共有が進み、売上分析と在庫管理の精度、作業効率が向上したと評価いただいています。
また、お客様向けの会員アプリを通じて、ECと店舗で共通の会員様を獲得できるようになりました。
両チャネルの利用率も上がり、お客様の利用状況に合った販促にご活用いただいています。
2.1.2. 各種帳票を、管理者を通さず担当者自身で出力
必要な集計データを取り出すため、管理者へ依頼しなければならなかったのが堀田丸正様の従来の運用です。
CV.netでは基本機能で売上・仕入・在庫の帳票を出力できるため、導入後は担当者ご自身で必要な帳票を取り出せるようになりました。
導入にあたっては、事業部ごとに異なる業務に合わせ、カスタマイズを最小限に絞って対応しました。
2.2. 在庫の即時確認・店舗間移動を改善した事例
2.2.1. 在庫の即時確認により売り逃しが減少
CRICKET WEB様は、店舗の売上を深夜に本部へ送る仕組みをお使いでした。
そのため、店頭で別の色やサイズを尋ねられた際、店舗スタッフが本部へ問い合わせても、最新の在庫をすぐには確認できないことがあったと伺っています。
弊社のCV.netを導入いただいた後は、どこに商品があるかをその場で確認し、お客様へお伝えできるようになりました。
同社からは、即時の在庫確認によって売り逃しが減ったと評価いただいています。
2.2.2. 在庫の店舗間移動がスピーディーに
オーセンティック様では、レジでの会計とは別に店舗スタッフが売上を入力されていました。
フェアやイベントの繁忙時には入力が追いつかず、売れ行きをリアルタイムに把握しにくい状況だったため、弊社から販売管理・POS・顧客管理を組み合わせてご提案しました。
導入後は売上をリアルタイムで確認いただけるようになり、週間売上をもとにした店舗間移動も以前より速く進められるようになったと伺っています。
なお、導入の検討には、実際に操作するスタッフの皆様も参加されています。
画面や操作の説明を受けていただき、アンケートで意見を集めたうえで弊社システムを選んでいただきました。
2.3. 経営管理にデータを活用した事例
2.3.1. 店舗のお客様情報をもとに本社で動向分析
リコヴィータ様には、店舗での売上確認・在庫検索に加え、購入されたお客様の年代・性別・購入目的などの記録にもCV.netをご利用いただいています。
そして、本社では、その店舗データを集めてお客様の動向分析にご活用いただいております。
このように、店舗で集めた買上情報が、売上金額だけでは分からない購入者の傾向を調べる材料になっています。
2.3.2. 月次レポートの作成を効率化
CRICKET WEB様では、CV.netへの刷新によって月次処理にも変化がありました。
2025年12月公開の取材記事では、月初の数値確認が1〜2日以内に完了するようになり、経営会議へのレポート作成も安定したという成果をご紹介しています。
3. 販売・在庫管理スマホアプリ導入でよくある失敗
事例にある業務の変化を自社でも得るには、情報を共有する仕組みと、現場で入力・照会できる操作の両方が要ります。
スマホを配っても、使いにくさや手順の不一致が残れば、PCへの入力依頼や電話での確認は続きます。
そのため、導入前に確認したいのは、次の3つのつまずきです。
3.1. 現場で使いこなせない
スマホでは商品名やサイズが途中で切れたり、ボタンが小さく押し直しが増えたりすることがあります。
特に棚卸は同じ操作を繰り返すため、1回ごとの手間が作業全体に響きます。
説明を聞くと分かる画面でも、忙しい売場で操作を続けられるとは限りません。
そこで、選定担当者は、店舗スタッフにも使用予定の端末で検索・読取・登録を試してもらいます。
第2章のオーセンティック様のように利用者の意見を集めれば、操作する人が感じた使いにくさを、導入前の判断に反映できます。
3.2. 自社の業務フローとの齟齬がある
在庫を照会できても、現場で済ませたい仕入や移動の入力ができなければ、担当者はPCへ戻る必要があります。
反対に、使わないメニューや入力項目が多すぎるアプリも、日々の操作を複雑にすることがあります。
例えば、商品を送る店と受け取る店では、行う処理も担当者も異なります。
そのため、弊社の導入相談では、担当者ごとにスマホでどこまでの業務を行いたいかを伺います。
仕入・発注・店舗間移動の入力まで現場で済ませたいのか、全店の売上状況も見たいのか、棚卸と商品確認で足りるのかをもとに、必要な機能と手順をお客様と確認しています。
手順が合わなければ、機能があっても紙の伝票や別の入力作業が残ります。
3.3. 利用端末ごとに情報のタイムラグが発生する
棚卸などで多数の端末を同時に使うと、通信やサーバの処理が混み合い、登録に失敗したり、応答待ちで作業が止まったりすることがあります。
ただし、端末数だけが原因とは限らず、売場の回線状態やサーバの処理能力などによって、遅れの発生箇所は変わります。
また、入力内容を一定間隔で本部へ送るアプリでは、送信までの間、スマホとPCに異なる数量が表示されます。
そのため、古い数量と気づかずに接客すると、スタッフがすでに売れた商品を「在庫あり」と案内してしまうおそれがあります。
そこで導入前には、想定台数で登録したときの応答と、登録した数量が他の端末へ反映される時点を分けて確かめます。
この2つが分かれば、作業が集中する棚卸を進められるか、接客で使う数量がどこまでの販売を含むかを判断できます。
4. Creative Vision.NET Smart Solutionで売上・在庫・顧客情報を見える化
弊社の「Creative Vision.NET Smart Solution」は、CV.netの販売・在庫管理に関わる各種機能を、iOS・Androidのスマホやタブレットから利用するアプリケーションです。
ここからは、導入事例の成果とは分けて、現在ご提供している機能を紹介します。
前章の操作性・業務フロー・タイムラグの課題に沿って、カメラ読取、売上確認や在庫照会・移動指示・発注・仕入入力、CV.netへの即時反映を説明します。
4.1. 「画面が見やすい・使いやすい」販売管理アプリ
Smart Solutionの棚卸は、スマホのカメラで商品バーコードを読み取り、数量を入力して登録ボタンを押す流れです。
数えた場所で登録まで済み、機器をPCにつないでデータを送る手間がかかりません。
また、商品・売価照会では、バーコードから商品を呼び出し、接客時には原価を非表示にして売価を確認できます。
このように、商品名や品番を手入力して検索したり、PCへデータを移したりする手順を省けるため、照会・登録が少ない操作で済みます。
4.2. 売上・在庫・顧客管理に対応
売上の確認には、売上速報、売れ筋商品のベスト表、店舗売上ランキングを利用できます。
各店の実績や売れている商品を、スマホ・タブレットから調べられます。
また、売場では、全店の実在庫・有効在庫を調べ、その画面から他店舗への移動指示を作成できます。
さらに、売上・取り置きの登録や、お客様の購入履歴の照会にも対応しています。
発注入力や納品予定の照会も、スマホ・タブレットで行えます。
入荷時には作成済みの発注データを呼び出して、その場で仕入入力できるため、受け入れた内容を紙へ控えてから事務所で入力する手間を省けます。
ただし、商品や取引先のマスタの新規登録・編集は、標準ではPCのCV.netで行います。
商品情報の登録・変更はPCで、日々の販売や入荷の記録はスマホで行うという役割分担で、現場の作業を進められます。
4.3. 「三階層システム」による徹底したリアルタイム性と保守性の保持
CV.netは、画面操作、業務処理、データ保存を分けた三階層構成です。
業務を担うサーバで処理負荷を分散し、利用者の接続状態や更新時の競合を制御することで、複数拠点からの同時利用を支えています。
また、プログラムの実行や管理をサーバ側に集約するため、各端末で個別に更新・保守する負担を抑えられます。
ただし、店舗の回線障害や外部ECからのデータ取り込み待ちは、この仕組みでは解消できません。
ECの販売分を一定間隔で取り込む場合は、いつの販売まで在庫に反映されるかを導入前に確認します。
一方、Smart Solutionで入力・更新した売上・在庫情報は、CV.netと同じデータベースへリアルタイムに反映されます。
そのため、本部は店舗からの転記やファイル送信を待つことなく、登録済みの情報から各店の実績を把握できます。
店舗スタッフも、販売登録後の残数をその場で接客に使えます。
登録した販売分の反映を次の一括送信まで待たずに済むため、販売済みの商品を「在庫あり」と案内する行き違いを抑えられます。
Creative Vision.NET Smart Solutionの機能を見る
5. まとめ
販売・在庫管理の見直しで得られる変化は、転記の削減から、店頭での回答、部門間の情報共有、本社での分析まで広がります。
今回の事例とスマホ活用の要点を、以下にまとめます。
- 現場で記録・照会できる機能は、PCへの移動や転記、入力ミスの機会を減らす
- 共有した売上・在庫・顧客情報は、接客、店舗間移動、帳票作成や本社の分析に使える
- スマホ導入の効果は、操作のしやすさ、業務手順との一致、データ反映の仕組みに左右される
ご紹介した事例のように、情報を共有することで、在庫確認や帳票作成の手間を省けます。
Smart Solutionでは、売場や倉庫からも在庫の照会や入力が可能です。
弊社では、現在の業務を伺い、PCとスマホの使い分けをご提案しています。
導入の比較に使う製品資料は、資料請求からご覧いただけます。
現在の販売・在庫管理やスマホで行いたい業務については、お問い合わせからご相談ください。
参考URL
- 三高様 導入事例
- 堀田丸正様 導入事例
- CRICKET WEB様 導入事例
- オーセンティック様 導入事例
- リコヴィータ様 導入事例
- Creative Vision.NET Smart Solution
- 発注・仕入管理(CVSS)
- 三階層システム
- 導入事例|株式会社ディー・ティー・ピー
- 在庫管理アプリで棚卸とミスを削減|できることと選び方を解説|Platio
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この記事の執筆・編集
株式会社ディー・ティー・ピー
システム営業部 編集チーム
アパレル・小売業向け基幹システム「Creative Vision.NET」(導入実績300社以上)を提供する株式会社ディー・ティー・ピーの編集チームです。 製品と導入現場で得た実務知見をもとに、顧客・販売・在庫管理の記事を作成しています。
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