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アパレル基幹システム比較6選|リプレイス前に見たい比較軸と各システムの向き不向き

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アパレル基幹システム比較6選|リプレイス前に見たい比較軸と各システムの向き不向き

1. はじめに:候補は並ぶのに比較が進まない

アパレル基幹システムのリプレイスで止まるのは、候補が見つからないときより、候補が数社まで並んだあとです。
実際候補の各社の資料には、全て在庫、受注、EC連携、分析、返品、POS連携といった言葉が並び、表にすれば丸も付きます。
ただ、その丸が同じ処理を指しているとは限りません。

実際にシステムを評価する際、店舗・本部・卸担当・情シスでは、それぞれ重視するポイントが異なります。
店舗では、お客様からの問い合わせに対して「取り寄せ可否をすぐに回答できるか」が重要になります。
一方で本部では、店舗配分や出荷状況、粗利、在庫消化の管理が重視され、卸担当では、展示会受注や委託販売、消化仕入など、自部門特有の業務に対応できるかが評価のポイントになります。
さらに情シス部門では、マスタ管理、権限設定、外部システム連携、データ移行の負荷など、運用・保守面を中心に確認します。

このように、同じ比較表を見ていても、部門ごとに見ている業務や判断基準が異なるため、評価が分かれるのは自然なことなのです。

1.1. 止まりやすい比較の始まり方

「在庫に強い製品がほしい」という言い方だけでは、店舗が困っているのか、本部が困っているのか、卸担当が困っているのかが分かりません。
例えば、「在庫に強い製品がほしい」と言っても、店舗が探しているのは取り寄せ時に使える在庫かもしれませんし、本部は引当前と引当後を分けたいのかもしれません。
また卸担当が困っているのは、受注残と出荷可能数が別々に見えていることだった、という場合もあります。

ここを分けずに比較表を作ると、在庫管理、受注管理、分析という列だけが増えます。
誰の困りごとを解く項目なのかが分からないまま、同じ丸印で評価してしまうからです。
候補を並べる前に、自社が止まっている処理を一つか二つに絞って言葉にしておくと、ベンダーの提案資料を見るときに、在庫照会、引当、出荷、分析のどこから確認すべきかを決められます。

1.2. 同じ機能名でも運用差が大きい

そして機能名の読み違いも、比較を鈍らせます。
「受注管理」と書かれていても、展示会受注から発注計画まで持つ製品もあれば、通常受注と出荷処理を中心に作られている製品もあります。
また「在庫管理」も、実在庫の照会で止まるのか、引当後の有効在庫まで追えるのかで、現場の使い方は別物です。

特にアパレルでは、1つの商品を扱うだけでもSKU、カラー、サイズを分けて管理し、そこに店舗移動、委託、消化、得意先ごとの帳票条件が関わります。
例えば、返品後の商品をいつ再販可能在庫へ戻すのか、展示会受注分をどの在庫にどの順番で引き当てるのかによって、資料上は似た機能に見えても日々の処理は分かれます。
そのため本稿では、製品名を先に選ぶのではなく、受注、引当、出荷、返品のどこで自社の処理が止まっているかを見てから候補を比べます。

2. 先に決めたい比較軸

製品名を並べる前に、社内で何を比べるのかを決めておきます。ここが曖昧なままだと、機能数の多い製品が良く見えたり、公開価格がある製品だけ先に進んだりします。
2章では、候補を増やすためではなく、候補を残す・外すための見方を5つに分けます。

2.1. どこからどこまでを一連業務として見るか

比較表の最初の分かれ目は、どこまでを一つの業務として扱うかです。
店舗売上と在庫照会だけで足りる会社もありますが、受注、引当、出荷、返品、棚卸、分析までつながっていないと、リプレイス後もExcelで補う作業が残る会社もあります。

卸が入ると、さらに話は広がります。それは展示会受注、出荷振分、委託、消化まで含めないと、比較表の意味が変わるためです。
直営店と自社ECの在庫反映を見たい会社と、卸の受注残と出荷条件を先に整えたい会社では、同じ 在庫管理 でも確認する画面や質問が違います。
そのため比較表の列は、自社が一連で見たい業務に合わせて作る必要があります。

2.2. 在庫の定義をどう切るか

また基幹システムの比較で在庫管理を見るときは、どの在庫区分を基準にするかを先に確認する必要があります。
実際、店舗在庫、倉庫在庫、引当前の実在庫、配分や出荷で使える有効在庫、EC公開在庫、委託先在庫のどれを主に見るかで、必要な機能は変わります。
そのため、ここを分けずに現行データを見ていると、帳簿上の数量は残っていても、店舗販売、EC公開、卸出荷のどこにもすぐ使えない在庫が混ざります。

こうしたずれが起きる原因は、店舗、本部、EC、卸で同じ在庫数量を見ていても、使える在庫の条件が違うためです。
店舗は店頭に出せる在庫を見ますが、EC担当者は公開しても売り越さない在庫を見ます。また卸担当者は既存受注に引き当たっていない数量を見たいので、同じ在庫データでも判断が分かれます。

つまり比較時は、在庫照会の有無だけで判断するのではなく、引当、配分、出荷指示、反映タイミングまで確認することで、自社の運用に合うかをより正確に見極めやすくなります。

2.3. 卸、展示会、委託を重く見るか

卸の比重が高い会社は、小売中心の比較表をそのまま使うと抜けが出ます。展示会受注をまとめて取り、得意先別に出荷を振り分け、委託や消化で売消を追う流れが重い会社では、SKU管理だけ見ても足りません。受注残、帳票条件、出荷条件、委託・消化の持ち方まで見ないと、候補を絞る材料になりません。

一方で、すべての会社が卸の細かい条件まで同じ深さで確認すべきとは限りません。百貨店、量販、専門店、BtoB-ECなど得意先ごとに取引条件が分かれている会社では、卸業務の処理を比較表の前面に出す必要があります。反対に、直営店やECの在庫反映、ポイント連携、店舗オペレーションが主な課題であれば、卸の詳細条件は優先度を下げて確認する形でも問題ありません。

重要なのは、比較項目を一律に増やすことではなく、自社の商流に合わせて、先に見るべき評価軸と後から確認すべき評価軸を分けることです。

2.4. 標準へ寄せるのか、個社要件を残すのか

次に分かれるのは、業務を標準へ寄せるのか、今の運用を残すのかです。
アパレルでは、返品承認、得意先ごとの帳票、店舗移動の承認、独自の配分ルール、店舗とECで違う在庫の持ち方など、会社ごとの差が出やすい処理があります。
ここを後回しに選定すると、候補を絞ったあとに話が戻りやすいです。

加えて最近のSaaS製品は、個社ごとの作り込みより、標準機能へ業務を合わせる前提のものもあります。
公開価格や標準構成が見えやすい製品は比較に入りやすい一方で、後から この承認は標準外 この帳票は別確認 この在庫の持ち方は運用変更が前提 となることがあります。情シスや本部は、候補を聞く前に 変えてよい処理残したい処理 を分けておく必要があります。

2.5. 分析が次の処理につながるか

分析機能は、画面の見やすさだけでは差が分かりにくい項目です。
販売状況、在庫数、粗利、消化率などを確認できても、その結果をもとに誰が次の判断を行うのかまで見ておかないと、実際の業務改善にはつながりにくくなります。

たとえば、補充、再配分、発注見送り、販促見直しといった判断が、別資料の作成や別担当への確認を挟まないと進まない場合、分析結果を見ても次の対応まで時間がかかります。
反対に、分析画面から店舗別在庫や引当状況を確認でき、移動指示や再配分の判断につなげやすい仕組みであれば、分析機能は単なる状況把握ではなく、業務判断の起点として活用できます。

そのため店舗別の販売状況や在庫状況をもとに、本部やMDが補充、配分、発注、販促の見直しまで行う会社では、分析機能の有無だけでなく、分析後にどの担当者が、
どの業務判断へつなげられるかを確認することが重要です。
同じ「分析機能あり」でも、消化率を確認して終わる製品と、店舗別在庫や引当状況まで確認して次の配分を検討しやすい製品では、業務上の使い道が大きく異なります。

つまり比較表には、分析機能の有無ではなく、分析後に誰が何を決めるのかを残しておく必要があります。

3. 主要6製品を同じ表で比べる

ここでは、6製品をランキングではなく、候補を切り分けるために並べます。
アパレル基幹システムは、製品名だけを見ると似た言葉が多く出てきます。販売管理、在庫管理、受注管理、分析はどの製品にも出てくる言葉ですが、実際には中心に置いている業務が違います。

3.1. 比較表の見方

この表は、項目を左から順に確認するためのものではありません。見るべきなのは、機能名の多さではなく、自社の業務に近い条件がどこにあるかです。
そのため、まずは自社の商流や運用体制に近い会社像を起点にし、業務上の課題と各製品の強みが合っているかを確認します。

そのうえで、「合いやすい理由」と「注意して確認する点」まで見ることで、候補として残すべきか、初回打合せで深く確認すべきかを判断しやすくなります。
特に比較表では、単に機能の有無を見るだけでは、実際の業務に合うかまでは判断しきれません。
そこで「合いやすい理由」では、自社の商流や運用体制と合いそうなポイントを確認し、「注意して確認する点」では、導入前に見落としやすい論点を整理します。

このように、自社で課題になっている業務に近い項目から確認していくことで、丸の数だけで製品を選ぶのではなく、実際に検討すべき候補を残しやすくなります
結果として、比較表を作成したあとも判断に迷いにくくなります。

システム

近い会社

業務の重心

合いやすい理由

価格公開

注意して確認する点

Creative Vision.NET

店舗・卸・倉庫在庫をつなぎ、受注後の引当・配分・出荷まで追いたい会社

店舗販売、卸受注、展示会受注、受発注、在庫、引当、有効在庫、配分、出荷、受払、分析

アパレル業務を広く持ち、在庫定義や帳票などの個社要件も相談しながら詰めやすい

要問い合わせ

機能量が自社に見合うか。標準中心で短く入れたい会社は、必要範囲を先に絞る必要がある

アラジンオフィス for fashion

アパレル卸・メーカーの標準業務、得意先連携、出荷指示を重く見る会社

SKU商品管理、展示会受注、出荷指示、ハンディ、EOS・EDI、流通BMS

卸・メーカー寄りの標準業務と、得意先との連携まわりを確認しやすい

要問い合わせ

得意先条件、EDI/BMS、ハンディ運用、出荷指示が標準・オプションのどこに入るか

ATS

受発注、在庫、物流を標準寄りにまとめて見たい会社

受発注、在庫、物流、展示会準備、店舗・EC連携

全体の流れを広く押さえつつ、公開料金を入口に比較を始めやすい

公開あり

標準で回す範囲と、独自帳票・承認・例外処理をどこまで残すか

アパレル管理自動くん

小売・卸をクラウドで始め、標準機能を起点に検討したい会社

小売、卸、EC連携、多店舗、分析

価格感や標準機能の輪郭が見えやすく、Excel管理からの移行を考えやすい

公開あり

委託、独自承認、帳票、例外出荷などが標準に収まるか

NEC アパレル業向けクラウド販売管理

卸比重が高く、委託・消化・出荷振分を重く見る会社

色サイズ、展示会受注、前売情報、出荷振分、委託・消化

百貨店・量販など得意先別の取引や、卸寄りの処理を前面に出して比較できる

公開あり

卸中心で使うのか、店舗・EC・顧客接点まで広げるのか

One'sCloset

BtoB-EC、オンライン展示会、受注残管理を小さく始めたい会社

SKU、受注残、発注残、オンライン展示会、BtoB-EC、スマレジ連携

卸まわりの入口をクラウドで整えやすく、標準とオプションの境界も見やすい

公開あり

BtoB-EC、委託売消、ハンディ、POS連携を足したときの見積前提

この表だけで決め切る必要はありません。表は候補を減らす入口であり、自社に合うかどうかは、どの業務を残したいか、どこを標準へ寄せられるかで変わります。表で大まかに分けたうえで、次は製品ごとの向き不向きを文章で確認します。

4. 各製品が向きやすい企業像

4.1. Creative Vision.NET

店舗、卸、倉庫在庫、展示会受注、受発注が別々に動いている会社では、まず 使える在庫 を誰かが作り直していることがあります。
店舗在庫も、卸の受注残も、展示会で受けた注文もあるのに、どの在庫をどの注文へ引き当てられるのかが見えない。この詰まりがあるなら、弊社のCreative Vision.NETは有力な検討候補になります。

またCV.netでは、SKU運用を前提に、実在庫と有効在庫を分け、配分処理、引当、出荷指示確定、受払履歴へつなげて確認できるため、
展示会受注、受発注、配分、出荷、受払、売上分析までが切れている会社では、部門ごとに見ている数字がずれやすくなります。
加えて、パッケージとしてアパレル業務に必要な標準機能を幅広く備えながら、企業ごとの商流や運用ルールに応じた個別要件にも対応できるため、
既存業務をすべてシステムに合わせるのではなく、標準機能を活かしつつ、自社固有の運用も反映しやすい点が特長です。

一方で、対応できる業務範囲が広い分、最初からすべての機能を使う前提で進めると、導入範囲が大きくなりやすい点には注意が必要です。
まずは、在庫、受注、配分、出荷、分析のうち、どの業務を初期導入の対象にするのかを整理してから確認すると、検討しやすくなります。

(出典:https://www.dtpnet.jp/solution/sales-management/creative-vision-net.html

4.2. アラジンオフィス for fashion

得意先ごとの取引条件が多く、卸・メーカー側の業務を重視する会社では、アラジンオフィス for fashionが検討候補になります。
アラジンオフィス for fashionは、SKU商品管理、展示会受注管理、出荷指示、ハンディターミナル連携、EOS・EDI連携、流通BMS対応など、卸・メーカー業務で必要になりやすい機能を備えている点が強みです。
特に、百貨店、量販店、専門店など取引先ごとに納品条件や出荷ルールが異なる会社では、受注から出荷、得意先連携までの業務をまとめて確認しやすくなります。

一方で、自社独自の販促分析や顧客管理まで一体で見たい場合は、アラジンオフィス単体で判断せず、どこまでを標準機能で対応し、どこからを外部連携や別システムで補うのかを分けて確認する必要があります。

(出典:https://aladdin-office.com/fashion/

4.3. ATS

比較の初期段階で予算感を押さえたい会社や、まずは標準的なアパレル業務を広く確認したい会社では、ATSが検討候補になります。
ATSは、受発注、在庫、物流、店舗連携など、アパレル業務に必要な領域を一通り確認しやすい点が強みです。展示会準備から受注登録、メーカー・卸への発注、物流、店舗連携までを標準寄りに整理できるため、最初から大きな作り込みを前提にせず、業務全体を見直したい会社に向いています。

一方で、料金や機能範囲が見えやすいことと、自社の運用にそのまま合うことは別です。独自帳票、承認ルート、例外的な出荷処理などを残したい場合は、どこまで標準機能で対応でき、どこから個別対応が必要になるのかを確認しておく必要があります。
そのため、ATSを確認する際は、標準に合わせる業務と、自社運用として残したい業務を先に分けておくと、後半で要件や費用が膨らみにくくなります。

(出典:https://www.ats-innet.com/

4.4. アパレル管理自動くん

Excelや個別管理から脱却し、小売・卸の業務をクラウドで一元管理したい会社では、アパレル管理自動くんが検討候補になります。
アパレル管理自動くんは、多店舗管理、在庫管理、受発注、EC連携、分析、ポイント管理などを標準機能として確認しやすい点が強みです。まずは大きなシステム構築を前提にせず、クラウド上で業務管理を始めたい会社に向いています。

一方で、委託販売、得意先ごとの取引条件、承認ルート、独自帳票、例外的な出荷フローなどが多い会社では、標準機能でどこまで対応できるかを確認しておく必要があります。
そのため、アパレル管理自動くんを確認する際は、標準機能に合わせる業務と、自社運用として残したい業務を先に分けておくことが重要です。
ここを曖昧にすると、導入後に手作業や個別管理が残りやすくなります。

(出典:https://apakankun.com/

4.5. NEC アパレル業向けクラウド販売管理

卸比重が高く、百貨店・量販店との取引や、委託・消化取引の管理を重視する会社では、NEC アパレル業向けクラウド販売管理が検討候補になります。
NEC アパレル業向けクラウド販売管理は、色・サイズ別の商品管理、展示会受注、販売・生産計画、前売情報、出荷振分、委託・消化取引など、卸・メーカー側の業務を広く確認しやすい点が強みです。
特に、得意先ごとの条件に合わせて出荷や売上計上を管理したい会社では、確認すべき項目を整理しやすくなります。

一方で、小売・EC一体型の運用や、顧客接点を中心に見たい会社では、卸寄りの機能が自社の優先順位に合うかを確認する必要があります。
そのため、NECを確認する際は、出荷振分や委託・消化取引など標準で押さえたい業務と、得意先別条件・帳票差など個別確認が必要な業務を分けておくことが重要です。

(出典:https://jpn.nec.com/cloud/smb/apparel_sm/index.html

4.6. One'sCloset

卸や展示会まわりの業務を、まずは小さく整えたい会社では、One'sClosetが検討候補になります。
One'sClosetは、BtoB-ECやオンライン展示会、受注残・発注残の管理、スマレジ連携などをクラウドで始めやすい点が強みです。
展示会受注や卸先からの受注導線を整えたい会社、まずは紙やExcel中心の管理から脱却したい会社に向いています。

一方で、BtoB-EC、取置出荷、委託売消、ハンディ、POS連携など、どこまでを対象にするかによって必要な機能範囲が変わります。
そのため、One'sClosetを確認する際は、受注導線だけを整えたいのか、在庫・出荷・POS連携まで含めて運用したいのかを先に分けておくことが重要です。
ここを曖昧にすると、導入後に必要な機能が足りず、追加対応が必要になる可能性があります。

(出典:https://ones-closet.com/

Creative Vision.NETの業務範囲と標準機能がわかる製品概要書

在庫、受注、配分、出荷、売上分析までを一連で見直したい場合は、
Creative Vision.NETの製品概要書をご確認ください。
資料では、アパレル業務に対応した標準機能、
配分・出荷の業務フロー、在庫照会、移動指示、C.P.Aによる分析機能などをまとめて確認できます。

▶ Creative Vision.NETの業務範囲と標準機能を資料で確認する

5. 比較表で迷ったら、最初に聞く製品を変える

4章までで製品ごとの性格はある程度見えてきます。それでも決めにくいのは、候補をすべて同じ深さで聞こうとするからです。
初回相談では、全製品に同じ質問を並べるより、自社でいちばん止まっている処理に近い製品から深く聞いた方が、次に残す候補と外す候補を分けることができます。

5.1. 受注後の在庫が追えない会社

店舗在庫、倉庫在庫、卸の受注残、展示会受注、本部配分が分かれている会社では、機能名の多さよりも、「受注後に使える在庫を正しく把握できるか」が重要になります。

たとえば、店舗には在庫があるように見えても、卸の受注残や展示会受注分を差し引くと、実際には出荷に回せないことがあります。
このような課題がある場合、最初に確認すべきなのは在庫照会画面の有無ではなく、引当、配分、出荷指示、受払履歴までが一連でつながっているかです。

このような課題がある場合、Creative Vision.NETは、在庫・受注・配分・出荷の流れを確認するうえで有力な候補になります。
Creative Vision.NETは実在庫と有効在庫を分けて管理し、展示会受注、受発注、配分、引当、出荷、受払までを一連の流れで扱えるため、「どの在庫を、どの注文に、どの順番で使うか」まで追いやすくなります。

一方で、主な課題が物流業務の標準化であればATS、得意先への出荷指示やEDI・流通BMS対応が中心であればアラジンオフィス for fashionも早い段階で確認する価値があります。

5.2. 得意先条件が選定を左右する会社

百貨店、量販店、専門店など、得意先ごとの取引条件や出荷ルールが大きく異なる会社では、まず得意先連携と出荷条件を中心に確認します。

この場合、SKU商品管理、展示会受注、出荷指示、ハンディターミナル連携、EOS・EDI連携、流通BMS対応などを確認しやすいアラジンオフィス for fashionが候補になります。さらに、委託・消化取引、出荷振分、前売情報まで重視する場合は、NEC アパレル業向けクラウド販売管理もあわせて確認したい候補です。

一方で、受注後の在庫、配分、出荷、受払、分析までを自社の業務フローとして追いたい場合は、CV.netも比較に加えると整理しやすくなります。

5.3. 標準化を優先して始めたい会社

Excelや個別システムから脱却したいものの、現行運用を大きく作り込む予定がない会社では、公開価格や標準機能の範囲が分かりやすい製品から確認すると、社内で比較を始めやすくなります。

小売・卸・EC連携・多店舗管理をまず標準機能で確認したい場合は、アパレル管理自動くんが候補になります。
一方で、受発注、在庫、物流までを広く見ながら、標準寄りに業務を整理したい場合は、ATSが候補になります。
また、取引先向けの受注導線やオンライン展示会を先に整えたい会社では、One'sClosetも確認しておきたい製品です。

ただし、こうした始めやすい製品ほど、導入時点では不要に見える処理が、運用開始後に必要になることがあります。
たとえば、複数倉庫、委託、外部POS、WMS連携、独自帳票などが後から必要になる可能性がある場合は、初回相談の段階で「今すぐ必要な処理」と「半年以内に増えそうな処理」を分けて確認しておくことが重要です。

5.4. 残したい運用が多い会社

現行運用を大きく変えにくい会社では、標準機能の多さだけでは判断できません。
得意先ごとの帳票、部門別の承認、店舗・倉庫・卸で異なる在庫の持ち方、配分ルール、分析の切り口などを残したい場合、標準機能へ寄せる前提の製品では、導入後の運用で差が出やすくなります。

このような場合、Creative Vision.NETは確認しておきたい候補になります。
アパレル向けの広い標準機能を土台にしながら、在庫定義、帳票、承認、分析の切り口など、企業ごとの運用に合わせた個別要件も相談しやすい点が特長です。

ただし、個社要件を残せることだけで製品を決めると、導入範囲が広がり、プロジェクト全体が重くなる可能性があります。
そのため、初回相談前には「絶対に残す処理」「標準へ寄せてもよい処理」「判断がつかない処理」の3つに分けておくことが重要です。

そのうえで、重視する業務領域に応じて比較候補を整理します。
EDI・流通BMSや出荷指示が中心ならアラジンオフィス for fashion、委託・消化や出荷振分が中心ならNEC アパレル業向けクラウド販売管理、受発注と物流を標準寄りにまとめたいならATSも候補になります。

このように分けておくと、各社への質問が、標準機能で対応できる話なのか、カスタマイズが必要な話なのか、運用変更で吸収すべき話なのかを整理しやすくなります。

6. ベンダー相談前にそろえたい資料

比較表を作ることで、候補製品や確認すべき論点は整理しやすくなります。
一方で、比較表だけでは、自社の業務フローや例外処理まで十分に伝えることはできません。

ベンダーから具体的な提案を受けるためには、どの業務をどの順番で進めているのか、どこで例外対応が発生しているのかを共有できる状態にしておくことが重要です。
そのため、最初の打合せ前には、比較表に加えて、業務フローと例外処理も簡単に整理しておくと、各社に同じ前提で質問しやすくなります。

6.1. 現行の業務フロー図

業務フロー図では、受注、引当、出荷、返品、棚卸、売上確定までの流れを整理します。

店舗だけで完結するのか、倉庫、卸先、委託先が関わるのか、EC受注と実店舗受注がどこで分かれるのかが分かれば、図としてきれいに作り込む必要はありません。
大切なのは、誰が入力し、どこで確認し、どのタイミングで在庫や売上の数字が変わるのかを残しておくことです。

この資料がないまま相談すると、ベンダーは標準的な業務フローを前提に提案しやすくなります。
その結果、倉庫で検品した後に店舗配分を見直している、返品の一部は再販せず保留にしている、展示会受注だけ別の承認を通しているといった、自社固有の運用が漏れやすくなります。

業務フロー図を用意しておくことで、画面数や機能名だけではなく、数字が変わるタイミングや担当者間の受け渡しまで含めて確認しやすくなります。
そのため、初回打合せの段階から、どこが標準機能で対応でき、どこに調整が必要なのかを話しやすくなります。

6.2. 止まりやすい例外処理メモ

通常フローだけを見ても、製品ごとの差は十分に分かりません。
実際の運用では、返品、値引き、委託売消、取り寄せ、受注変更、欠品時の代替手配、EC公開在庫の調整、締め後の訂正など、例外処理で業務が止まりやすくなります。

そのため、ベンダーに相談する前に、どの例外処理で困っているのかを簡単に整理しておくことが重要です。
例外処理を整理しておくと、「標準機能で対応できるのか」「運用変更が必要なのか」「追加開発が必要なのか」を具体的に確認しやすくなります。

基幹システムの導入では、こうした例外的な処理がプロジェクトの進行に影響しやすいポイントになります。
通常受注は問題なく回っていても、委託先の売消報告だけ別管理だったり、返品の承認ルートだけメール運用だったりすることは珍しくありません。

そのため、「普段は少ないが、止まると困る処理」を3〜5本挙げておくと、標準機能で吸収できる処理と、追加確認が必要な処理を分けやすくなります。

6.3. 比較シート

比較シートは、ベンダーの機能一覧をそのまま写すだけでは使いにくくなります。
そのため、最初に作るべきなのは、機能名を並べた表ではなく、社内の誰が何を確認するための表です。

たとえば在庫管理でも、店舗は在庫照会や店間移動、本部は配分や引当、情シスはPOS・倉庫連携、経営層は在庫金額や粗利への影響を見ます。
このように、部門ごとに確認したい内容を分けておくと、同じ「在庫管理」を確認する場合でも、店舗向けの使いやすさなのか、本部向けの配分管理なのか、情シス向けの連携なのかを切り分けて質問できます。

結果として、機能の有無だけで比較するのではなく、自社の業務や判断に合うかどうかを確認しやすくなります。

資料

最低限入れたい内容

使いどころ

業務フロー図

受注、引当、出荷、返品、棚卸、売上確定

標準機能で乗る範囲と例外の切り分け

例外処理メモ

返品、委託、受注変更、欠品対応、締め後訂正

追加開発や運用変更の見極め

比較シート

部門別項目、重み付け、要確認事項

RFI、RFP、初回打合せの確認項目整理

ここまで揃うと、比較表を見直すだけでなく、RFIやRFPに何を入れるかまで少し具体になります。文書化の前に次の工程も確認したい場合は、以下の記事がつながりやすくなります。

次の工程もあわせて確認したい方へ

  • RFP・RFI・RFQの違いを確認する資料アイコン

    比較項目を文書へ落とすなら、RFPの整理も先に見たい

    比較軸が見えてきたら、次はそれをどの文書へどう落とすかを決める段階です。RFI、RFP、RFQの違いと、基幹システム選定での使い分けは以下の記事で整理しています。

  • Fit & Gap分析の進め方を確認する資料アイコン

    標準との差分を詰めるなら、Fit & Gap分析もつながる

    候補が絞れてきたあとに止まりやすいのは、現行業務と標準機能の差をどこまで許容するかです。Fit & Gap分析の基本と進め方は以下の記事で確認できます。

7. DTPが支援できる工程と弊社のCV.netを見るポイント

比較検討の終盤で迷いやすいのは、製品名の比較から要件整理や見積前提の整理へどう移るかです。ここは製品比較だけでは埋まりません
業務フローをどこまで標準へ寄せるか、どこをFit / Gapで確認するか、追加開発の候補をどこに置くかまで含めて整理する必要があります。

7.1. DTPが支援できる工程

DTPでは、候補製品の比較だけでなく、F&Gを通じて、現行業務をどのようにシステムへ落とし込むかの検討を支援できます。

具体的には、現行の業務フローや例外処理を整理したうえで、標準機能へ合わせた方がよい業務と、個別要件として残すべき業務を切り分けます。
さらに、標準機能で対応できる範囲、運用変更で吸収できる範囲、追加開発が必要になる範囲を整理し、要件定義やお見積りの前提を明確にしていきます。

特に、アパレル・小売業では、配分、引当、返品、在庫区分、帳票、分析など、販売管理の中でも確認すべき項目が広がりやすくなります。
そのため、現行業務をそのままシステム化するのではなく、導入後の運用負荷や保守性も踏まえながら、どこを標準機能に合わせ、どこを自社運用として残すかを整理することが重要です。

DTPでは、この切り分けをもとに、要件定義やお見積りの前提をそろえ、導入後の運用まで見据えた形でご提案します。

7.2. 弊社のCV.netを比較対象に入れるなら

Creative Vision.NETを見る際は、展示会受注や在庫管理といった機能の有無だけで判断するのではなく、受注後の在庫、配分、引当、出荷、受払、分析までが一連でつながるかを確認することが重要です。

Creative Vision.NETは、展示会受注、受発注、在庫管理、配分管理、売上分析、C.P.Aなどを業務範囲として持ち、EC連携、WMS連携、流通BMS連携、POS連携なども確認できる製品です。
そのため、実在庫と有効在庫を分けたい会社、受注後の引当状況や受払履歴を追いたい会社、売上後に商品・店舗・顧客属性まで含めて分析したい会社では、業務フローとの相性を確認しやすい製品です。

また、標準機能を土台にしながら、独自帳票、承認フロー、店舗・倉庫・卸で異なる在庫の持ち方、卸先ごとの条件差、展示会受注後の受発注、分析の切り口など、企業ごとの運用に合わせた相談もしやすい点が特長です。

一方で、限られた範囲を標準機能中心で早く導入したい会社では、CV.netの機能範囲や拡張性が大きく感じられる場合もあります。
そのため、CV.netを比較対象に入れる際は、自社がどこまでの業務範囲を一連で管理したいのかを先に整理しておくことが重要です。

DXクラウド販売管理システムCreative Vision .NET

「Creative Vision.NET」の詳しい機能や使い方はこちら


受発注・売上・在庫管理・棚卸・配分・分析など、各機能を詳しくご説明した概要資料をご用意しました。


資料で詳しく知る

8. まとめ:製品名より先に比較項目を固める

アパレル基幹システムの比較で差がつくのは、製品数より比較項目です。最後に、社内で候補を絞る前に見ておきたいポイントを4つにまとめます。

  1. 同じ機能名でも運用の中身は違う:受注、在庫、返品、委託、分析のどこまでを一連で扱うかを見ないと、丸の数だけでは決まりません。
  2. 比較軸は部門別に持った方がよい:店舗、本部、卸、情シスで重く見る項目が違うため、同じ比較表でも列の意味が変わります。
  3. 標準へ寄せるのか、個社要件を残すのかを先に決める:公開価格や標準構成が見えやすい製品でも、自社の承認、帳票、委託、在庫の持ち方まで残したいなら見方は変わります。
  4. 候補を絞った後は資料の質で差が出る:業務フロー、例外処理、比較シートが揃っていると、RFI、RFP、打合せの粒度が一段上がります。

次にやる作業はシンプルです。「店舗 / 本部 / 情シス / 卸担当」の列で比較シートを作り、返品、受注変更、委託、在庫公開、帳票条件のような例外処理を3本から5本ほど書き出します。
そのうえで、比較項目をRFIやRFPへどう落とすかを決めると、ベンダー相談で聞くことがぶれにくくなります。

比較項目を文書へ落とし込む前に整理したい場合は、以下の記事も参考になります。
▶ RFPとは?RFI・RFQとの違いをわかりやすく解説
▶ システム導入はなぜ失敗する?よくある原因と成功への対策を解説

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