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在庫管理の4原則とは?在庫差異を減らす運用の見直し方

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在庫管理の4原則とは?在庫差異を減らす運用の見直し方

1. はじめに:在庫が合わないとき、現場はどこで止まるのか

在庫管理で問題になるのは、棚卸で差異が出たときだけではありません。

たとえば、MDが追加投入を検討したいのに実際に使える在庫が分からない、DBが店間移動を組みたいのにどの店舗の在庫を動かせるか判断できない、店舗からは「画面上は在庫ありなのに売場にない」といった問題が発生します。

このような場面では、単に総在庫数が見えているだけでは不十分です。
実際、追加投入、店間移動、接客対応などの業務判断に使うためには、「どこに」「何点あり」「その在庫が動かせる状態なのか」まで把握できている必要があります。

しかし、こうした問題をすべて「在庫が合わない」とだけ表現してしまうと、原因がぼやけます。
所在が分からないのか、数量が違うのか、引当済みと未引当が混在しているのか、古い在庫が滞留しているのかによって、業務が止まっている場所は異なります。
そして、止まっている場所が違えば、MDやDB、店舗が取るべき対応も変わります。

そのため、在庫管理では「在庫が合っているか」だけでなく、在庫を業務判断に使える状態で管理できているかを確認する必要があります。
その視点として重要になるのが、在庫管理の4原則です。

2. 在庫管理の4原則とは

在庫管理の4原則とは、在庫を正しく扱うために押さえるべき4つの基準です。
一般的には、所在、数量、アクションの緊急度、先入先出の4つで説明されます。
ここで大事なのは、4原則を「在庫を保管するためのルール」ではなく、「在庫を業務判断に使うための条件」として見ることです。

MDやDBにとって、在庫はただ数えるものではありません。
どの商品を追加投入するか、どの店舗からどの店舗へ動かすか、どの商品を値下げ候補にするか
どの差異を先に調べるかを決める材料であり、4原則が崩れると、こうした判断の前提が揃わなくなります。

4原則

実務で見ること

MD・DBが使う場面

所在

店舗、倉庫、売場、バックヤード、移動中、返品保留のどこにあるか

店間移動、補充、取り寄せ、返品後の再販判断

数量

実在庫、帳簿在庫、有効在庫、引当済み数量を分けて見られるか

配分数、追加発注、欠品判断、棚卸差異確認

緊急度

欠品、過剰、滞留、売れ筋、シーズン終盤を優先順位で見られるか

移動候補、値下げ候補、補充対象、発注見送り

先入先出

古い入荷分、旧シーズン、返品戻りを先に動かせるか

滞留在庫、旧品番、返品在庫、在庫鮮度の管理

2.1. 4原則は順番に崩れる

4原則は横並びに見えますが、実際には順番があります。
所在が分からなければ数量を確かめにくく、数量が分からなければ緊急度を判断できず、緊急度が見えなければ古い在庫を先に出す運用も後回しになります。

つまり、在庫が合わない現場でいきなり分析画面や自動配分だけを見ても、前提が崩れている可能性があります。
MDやDBが先に確認したいのは、高度な分析より、在庫がどこにあり、何点使えて、どれを先に動かすべきかが同じ基準で見えているかです。

2.2. 在庫差異と判断差異を分ける

在庫管理で発生する問題は、帳簿上の数量と実際の数量が合わない「在庫差異」だけではありません。
たとえ数量が合っていても、その在庫がどこにあり、販売・移動・追加投入に使える状態なのかが分からなければ、業務上の判断にズレが生じます。

たとえば、MDは「追加投入できる」と考えていても、DBは「移動できない」と判断し、店舗は「売場にはない」と回答することがあります。
これは、各担当者が見ている在庫の状態や前提が異なっているためです。

そのため、在庫を確認する際は、単に数量を見るだけでなく、「どこにあるのか」「いくつあるのか」「今すぐ使えるのか」「どの在庫から動かすべきか」といった観点で整理することが重要です。
所在、数量、緊急度、先入先出の4つの観点で確認することで、「在庫が合わない」「使える在庫が分からない」といった曖昧な問題を、具体的な確認作業に落とし込むことができます。

入出庫管理と在庫差異の改善ポイントを解説する記事サムネイル

数量ズレの原因を、日々の入出庫処理から確認したい方へ

在庫差異を減らすには、棚卸で差異が出た後だけでなく、入荷、出荷、返品、移動のどこで数量がずれたのかを見直す必要があります。
入出庫管理の記事では、在庫差異や誤出荷につながる運用の崩れ方と、改善時に確認したいポイントを整理しています。

▶ 入出庫管理と在庫差異の改善ポイントを見る

3. 原則1:所在を確認できる状態にする

「所在がわかる」とは、商品が「どこかにある」ではなく、どの店舗、どの倉庫、どの状態にあるかを追えることです。
ここでいう状態には、販売可能、移動中、返品保留、検品待ち、取り置き中なども含まれます。

3.1. 店舗別在庫だけでは足りない場面

在庫を確認する際、全体の数量を把握するだけであれば、店舗別・倉庫別の在庫数で足りる場合があります。
しかし、DBが店間移動や補充を組む場合は、その在庫が実際に動かせる状態なのかまで確認する必要があります。

たとえば、店舗に在庫があるように見えても、実際には売場ではなくバックヤードにある、返品確認中で販売できない、すでに移動中で使えない、といったケースがあります。
この状態が分からないまま移動指示を出すと、指示後に店舗確認が発生し、補充や移動の判断が遅れてしまいます。

また、アパレルでは品番単位ではなく、カラー・サイズまで含めたSKU単位で在庫を確認することも重要です。
品番全体では在庫があっても、必要なカラーやサイズがなければ、店舗の欠品は解消できません。

そのため、MDやDBが在庫を確認する際は、単に「どの店舗・倉庫に何点あるか」だけでなく、「どのSKUが、どこに、どの状態であるのか」まで追えることが重要です。

3.2. 所在不明は販売機会を減らす

所在管理で重要なのは、在庫の保管場所を記録することではなく、その在庫が販売・取り寄せ・店間移動に使える状態なのかを判断できることです。

所在が分からない在庫は、画面上では在庫ありでも、実際にはすぐ販売や移動に使えません。
結果店舗確認や移動計画の見直しが発生し、対応が遅れる原因になります。

そのため、ロケーションの登録有無だけでなく、店舗で日々更新できる運用になっているか、移動中在庫や返品保留在庫が通常在庫と分けて管理されているかを確認することが重要です。

3.3. まず分けたい在庫状態

最初からロケーションを細かく分けすぎると、現場の入力負荷が増えます。
最初に分けたいのは、販売に使える在庫、販売に使えない保留在庫、移動中の在庫、確認が必要な在庫です。
この4つが分かれるだけでも、配分や移動の判断はかなり変わります。

所在が見えると、次に問題になるのは数量です。
どこにあるかが分かっても、何点使えるかが分からなければ、MDやDBは次の判断に進めません。

4. 原則2:数量を判断に使える粒度で見る

「数量がわかる」とは、単に現在庫数が表示されることではありません。
MDやDBが判断に使うなら、実在庫、帳簿在庫、有効在庫、引当済み数量を分けて見られる必要があり、
ここを混ぜると「在庫はあるのに出せない」「在庫がないと思って発注したら倉庫に残っていた」といったズレが起きます。

4.1. 実在庫と有効在庫を混ぜない

倉庫に100点ある商品でも、そのうち60点がすでに出荷指示済みであれば、追加配分に使える数量は40点です。
店舗に5点ある商品でも、2点が取り置き中であれば、店間移動に回せる数量は3点です。

このように、画面上では在庫があるように見えても、そのすべてを追加投入や店間移動に使えるとは限りません。
重要なのは、総在庫数ではなく、実際に次の業務判断に使える数量を確認できることです。

MDが追加投入を判断する場合、帳簿上の在庫数だけを見ると、すでに出荷指示済みの在庫まで使えるものとして見てしまう可能性があります。
DBが店間移動を組む場合も、取り置き中や引当済みの在庫を移動対象に含めてしまうと、店舗側で「その在庫は動かせない」と差し戻される原因になります。

そのため、在庫管理では「何点あるか」だけでなく、「そのうち何点が実際に使えるのか」まで分けて見えることが重要です。

4.2. 棚卸差異は日々の処理の結果として出る

棚卸で差異が出ると、棚卸当日の数え間違いや入力ミスに原因を探しがちです。
もちろん、棚卸作業そのものに原因がある場合もあります。

しかし実際には、日々の入荷、出荷、返品、移動、引当の処理で数量更新がずれており、そのずれが棚卸時に表面化しているケースも少なくありません。
つまり棚卸は、在庫差異の原因そのものではなく、日々の運用で発生したずれを発見する場でもあります。

そのため、棚卸差異を減らすには、棚卸当日の作業精度だけでなく、日次の在庫更新が正しく行われているかを確認する必要があります。
たとえば、入荷確定前の商品を在庫に含めていないか、返品検品前の商品を良品在庫に戻していないか、移動中の在庫が出荷元と入荷先の両方で二重に見えていないかを確認します。

こうした確認ができていないと、棚卸のたびに同じ差異が発生し、その都度調整処理を繰り返すことになります。

4.3. 数量は更新タイミングで崩れる

数量が合わない現場では、入力漏れだけでなく、処理のタイミングが問題になることがあります。

たとえば、在庫は出荷指示時に引き当てられるのか、実際に出荷された時点で減るのか。
また、店舗間移動では、出荷元の店舗で出庫した時点で減るのか、移動先の店舗が受け取った時点で在庫に加算されるのかによって、画面上の数量は変わります。

この処理タイミングが部門や業務ごとにそろっていないと、同じ商品でも、見る時間や見る担当者によって在庫数が違って見えることがあります。

そのため、在庫差異の原因を確認する際は、現在の在庫数だけでなく、どの処理によって、どの時点で在庫が増減するのかまで追えることが重要です。

たとえば、返品戻しの処理が翌日にずれている、移動入庫が店舗側で止まっている、出荷指示済みの商品がまだ実在庫に残っているといった状態が分かれば、数量差異の原因を絞り込みやすくなります。

5. 原則3:どの在庫を先に動かすか決める

「アクションの緊急度がわかる」とは、在庫を確認したあとに、どの商品から優先して対応すべきか判断できる状態を指します。
たとえば、欠品が近い商品、過剰に残っている商品、シーズン終盤で早めに消化したい商品、返品後すぐに販売へ戻したい商品、
売れ筋にもかかわらず在庫が店舗に分散している商品などは、対応の優先度が高くなります。

MDやDBの業務では、単に在庫数を見るだけでなく、どの在庫を先に補充・移動・消化すべきかを判断する場面が多くあります。
そのため、在庫管理では数量だけでなく、次に取るべきアクションの優先順位まで見えることが重要です。

5.1. 在庫数だけでは優先順位が決まらない

在庫一覧に数量が並んでいるだけでは、どの商品から対応すべきかは分かりません。

たとえば、同じ1点の在庫でも、売れ筋で欠品が近いSKUと、販売が鈍く在庫が余っているSKUでは、取るべき対応が異なります。
前者は追加投入や発注を急ぐ必要がありますが、後者は値引き、店間移動、販売強化などを検討する対象になります。

このように、在庫管理では「何点あるか」だけでなく、「今すぐ動かすべき在庫か」「経過を見ればよい在庫か」を判断できることが重要です。

その判断には、販売速度、消化率、在庫日数、店舗別の在庫偏り、シーズン残日数などを合わせて確認する必要があります。
すべてを高度な分析機能で判断する必要はありませんが、優先して補充・移動・消化すべき在庫を見分けられる状態は必要です。

5.2. MDとDBで見るアクションが違う

MDとDBでは、同じ緊急度でも見る行動が違います。
MDは追加投入するのか、発注を増やすのか、値下げを早めるのかを判断し、DBはどの店舗からどの店舗へ動かすのか、倉庫からどこへ補充するのか、どの在庫を止めるのかを見ます。

この役割差が整理されていないと、在庫会議で話が噛み合いません。MDは全体消化を見ているのに、DBは店舗別欠品を見ている。
どちらも正しいのに、同じ在庫表で話しているために優先順位が合わない。
この状態を避けるには、緊急度を誰がどのアクションを取るかまで分けておく必要があります。

5.3. 緊急度を見るための最低項目

最低限見たいのは、販売数、現在庫、有効在庫、消化率、在庫日数、店舗別偏在、入荷予定、移動中在庫です。
これらが揃うと、売れているのに在庫が少ない商品、在庫は多いが動いていない商品、特定店舗だけ欠けている商品を分けやすくなります。

反対に、現在庫だけで緊急度を判断すると、対応の優先順位を誤る可能性があります。
在庫が多く残っていても売れ筋であれば急いで値引きする必要はありませんし、在庫が少なく見えても終売予定であれば追加発注は不要です。

つまり、緊急度を見る目的は、在庫数の多い少ないを判断することではありません。
補充すべきか、移動すべきか、売り切るべきか、様子を見るべきかを判断することにあります。

6. 原則4:先入先出で在庫の鮮度を保つ

「先入先出」は、古く入った在庫から先に出す考え方です。
食品や期限管理の印象が強い言葉ですが、アパレルでも無関係ではなく、
シーズン、トレンド、旧品番、返品戻り、保管期間の長い商品は、時間が経つほど売りにくくなります。

6.1. アパレルでは在庫鮮度が売れ方に影響する

アパレルの在庫鮮度は、賞味期限のように日付で切れるものではありません。
ただ、シーズンが進むほど売れ方は変わるため、
新作投入直後に売れ残ったカラー、サイズ欠けした品番、返品で戻った商品、前シーズンから残ったSKUは、同じ在庫数でも扱いを分ける必要があります。

先入先出ができていないと、新しい在庫ばかりが動き、古い在庫が残り続けることがあり、
見た目の在庫数は減っていても、古い在庫が棚や倉庫に滞留している場合、消化すべき在庫が後回しになっている可能性があります。

その状態を放置すると、値引きや移動の判断が遅れ、シーズン後半に処分対象として残りやすくなります。
そのため、在庫管理では数量だけでなく、どの在庫から動かすべきかを確認できることが重要です。

6.2. 返品在庫と移動在庫は古くなりやすい

先入先出が崩れやすいのは、通常の入荷処理よりも例外処理です。

たとえば、返品で戻った商品をいつ良品在庫に戻すのか、店間移動で戻ってきた商品をどの順番で再投入するのか、
倉庫で保留になった商品をどのタイミングで販売可能在庫に戻すのかが曖昧だと、古い在庫が通常在庫に混ざってしまいます。

その結果、新しく入荷した商品ばかりが先に動き、本来先に消化すべき古い在庫や返品戻りの商品が残り続けることがあります。
DBが移動候補を出す際も、古い在庫や返品戻りの商品を優先して動かせるかどうかは、その在庫がいつ入庫し、どのような理由で戻ってきたものかを確認できるかに左右されます。

入庫日、返品日、移動日、保留理由が追えない状態では、先入先出を徹底するのは難しく、最終的には現場の記憶や個別確認に頼る運用になってしまいます。

6.3. 先入先出は現場導線まで見ないと続かない

先入先出をルールとして決めても、現場の導線が逆であれば守られません。
新しい商品を手前に置いていれば新しいものから出てしまいますし、古い在庫を一覧で見つけられなければ、DBも移動指示に含められません。

そのため、先入先出を継続するには、ルールだけでなく、ロケーション管理とシステム上の見え方まで揃える必要があります。

MD・DBが確認したいのは、古い在庫がどこにあるか、どの店舗に残っているか、どのタイミングで値下げや移動の候補に出すかです。
先入先出を在庫鮮度の管理として捉えると、単なる倉庫内の出荷ルールではなく、古い在庫を残さず、適切なタイミングで動かすための運用になります。

7. MD・DBが運用で見るチェック項目

4原則は、月末にまとめて確認するより、日次・週次・月次の運用に分けて見た方が定着します。
毎日すべてを細かく見る必要はありませんが、日々見るもの、週次で判断するもの、月次で原因確認するものを分けるだけで、在庫が合わない状態を早めに見つけやすくなります。

7.1. 最初にやる改善は、在庫状態の列を分けること

今まず着手するなら、在庫表を作り替えるより、既存の在庫表に「どこにあるか」「何点使えるか」「未処理が残っていないか」「古い在庫か」の4つを確認する列を足します。
最初から全SKUを見ると作業が重くなるため、直近1週間で差異が出たSKU、欠品が続いたSKU、店舗から問い合わせが多かったSKUを10〜20件だけ選ぶ方が、現場で止まっている場所を見つけやすくなります。

たとえば、画面上は5点あるのに実際に動かせる数量が2点しかない商品は、引当済み、返品確認中、移動中のどれが原因なのかを分けて確認します。
ここで原因が分かれば、次の改善は「在庫数をもう一度数える」ではなく、移動未受を消す、返品保留の戻し方を決める、引当後の有効在庫をMD・DBが見られるようにする、といった処理単位の改善になります。

最初に見る項目

確認する内容

改善につなげる処理

所在

店舗、倉庫、移動中、返品保留、委託先のどこにあるか

移動未受、返品戻し、倉庫・店舗間の受入漏れを確認する

使える数量

実在庫から引当済み、取り置き、返品確認中を除いた数量

有効在庫の見方をMD・DB・店舗で合わせる

今日動かす在庫

欠品店舗、過剰店舗、出荷待ち、補充候補を分ける

移動指示、追加投入、発注見送り、値下げ候補を決める

古い在庫

入庫日、返品日、移動日、シーズンを確認する

先入先出、値下げ、店舗移動、販売終了判断へつなげる

7.2. 日次で見る項目

日次では、今日動かすべき在庫を確認します。
欠品しそうなSKU、引当済み数量、移動中在庫、返品保留、ECや店舗で売り越しが起きそうな商品は、対応が遅れると販売機会を逃す可能性があります。

DBは店舗別の不足・過剰在庫を見て移動や補充を判断し、MDは売れ筋在庫の所在や追加投入できる数量を確認します。
つまり日次確認の目的は、分析を深掘りすることではなく、欠品や売り越しを防ぐために、すぐ動かす在庫を決めることです。

7.3. 週次で見る項目

週次では、次週の配分や店間移動計画につながる項目を確認します。
店舗別偏在、消化率、在庫日数、移動実績、欠品回数を見ることで、どの店舗に在庫が残り、どの店舗で不足しているかを把握しやすくなります。

そのため週次で見るべきなのは、単品ごとの在庫数だけではなく、特定サイズの欠品、特定店舗への偏り、補充や返品戻しの遅れといった傾向です。
これにより、次週にどこへ在庫を動かすべきかを判断しやすくなります。

7.4. 月次で見る項目

月次では、在庫差異や滞留在庫の原因を確認します。
棚卸差異、調整履歴、滞留在庫、評価対象、廃棄・値下げ候補を見て、差異金額だけでなく、どのSKU・店舗・工程で差が出たのかを残します。

月次確認で差異を調整して終わると、翌月も同じ問題が起きる可能性があります。
そのため差異が出たSKU、店舗、処理種別、担当部門を残しておくことで、次回の棚卸前に確認すべき場所を絞りやすくなります。

7.5. 避けたい運用

避けたいのは、在庫差異が出るたびにExcelで補正し、システム上の原因を追わない運用です。
短期的には数字が合いますが、MDやDBが使う在庫表と、店舗や倉庫が見ている在庫が分かれてしまい、在庫管理の4原則が部門ごとに別々の基準になります。

もう一つ避けたいのは、在庫管理を店舗任せにすることです。
店舗は日々の販売対応を優先するため、所在や数量の更新を店舗だけに依存すると、忙しい時間帯の処理漏れや後追い入力が発生します。
MD・DB側で、どの処理が未完了なのかを見えるようにしておかないと、現場の努力だけでは在庫精度は安定しません。

在庫課題をもう少し具体化したい方へ

在庫が合わない原因を先に分けたい場合は、在庫差異の記事が近いです。
SKU単位の管理や、引当後の有効在庫まで確認したい場合は、以下の記事もあわせて確認できます。

▶ 在庫差異を減らし利益を守る 入出庫管理の最適化
▶ SKUとは?在庫管理と事業判断を変える最小管理単位
▶ 在庫引当とは?現場の混乱を減らし、売上を守る仕組み

ここまでのチェック項目を運用に落とすには、店舗、倉庫、本部が同じ在庫を同じ意味で見られる基盤が必要になります。

8. CV.netでは4原則を機能でフォローできる

ここまで説明してきた対策を、人の注意やExcel確認だけで続けるのは限界があります。
所在、数量、アクションの緊急度、先入先出の4原則は、ルールとして掲げるだけでなく、日々の入出庫、移動、棚卸、検品、分析の処理に組み込まれていないと、忙しい店舗や倉庫では抜けが出ます。

弊社のCreative Vision.NETでは、この4原則を在庫管理機能の中でフォローできます。
特に店舗間・倉庫間の移動では、出荷元から消えて受入先にもまだ載らない在庫を放置せず、積送在庫、いわゆる空中在庫として扱うのが標準的な運用です。
移動中の在庫も「どこにもない在庫」ではなく、「どこからどこへ向かっている在庫」として追えるため、所在不明のまま月次確認まで残る状態を減らせます。

4原則

CV.netでフォローする機能

現場で減らせるズレ

所在

店舗在庫、倉庫在庫、積送在庫、移動未受リスト

出荷済みなのに受入されていない在庫、移動中に見えなくなる在庫

数量

商品別受払表、各種受払表、引当後の在庫確認

いつ、どの伝票で、何個動いたかが分からない差異

緊急度

移動未受、出荷指示、在庫照会、販売動向の確認

今日受け入れるべき在庫、先に移動すべき在庫、追加投入すべき在庫の見落とし

先入先出

受払履歴、入出庫履歴、HHT・RFIDによる読取と照合

古い在庫が通常在庫に混ざる状態、検品・棚卸時の読み間違い

8.1. 商品別受払表で「いつ・どの伝票で・何個動いたか」を追う

在庫差異が起きたとき、MDやDBが最初に知りたいのは、現在庫の数字そのものより「どの処理で数字が変わったのか」です。
弊社のCreative Vision.NETでは、商品別受払表などの各種受払表で、特定の商品がいつ、どの伝票で、何個動いたのかを履歴として確認できます。

たとえば、あるSKUの在庫が棚卸後に3点ずれていた場合、入荷、売上、返品、移動、調整のどこで数量が変わったのかを追えないと、現場への聞き取りやExcel確認に戻ってしまいます。
受払履歴を見られる状態にしておけば、差異の原因を「たぶん棚卸漏れ」ではなく、伝票と数量の動きに基づいて確認できるため、修正後の再発防止まで話を進めやすくなります。

8.2. 積送在庫と移動未受リストで、移動中のズレを見つける

店舗間や倉庫間で商品を動かす会社では、出荷した側では在庫が減っているのに、受け取る側ではまだ入庫されていない時間が生まれます。この移動中の商品を管理できないと、画面上は在庫が消えたように見えたり、受入処理漏れのまま月次確認まで残ったりします。

Creative Vision.NETでは、出荷から受入までの積送在庫、いわゆる空中在庫をシステム上で管理できます。加えて、移動未受リストで出荷済み・未受入のデータを一覧確認できるため、店舗や倉庫の担当者は「どの商品が、どこへ出荷され、どこでまだ受け入れられていないか」を確認できます。所在が曖昧になりやすい移動中在庫を見える状態にすることで、移動処理の抜けや計上漏れを早い段階で見つけやすくなります。

8.3. HHT・RFIDで検品と棚卸の読み間違いを減らす

色・サイズ展開が多いアパレル商品では、検品や棚卸を目視確認だけに頼ると、似た品番、色違い、サイズ違いの読み間違いが起きやすくなります。
特にSKU数が多い店舗や倉庫では、1点の読み違いが出荷差異、棚卸差異、EC公開在庫のズレにつながります。

Creative Vision.NETでは、HHTやRFIDによる商品読取と、本部の出荷指示データとの照合、重複チェックを組み合わせて、誤出荷、数量差異、二重読取による誤計上を防ぎやすくします。
現場担当者が読み取った商品と、本部が出荷指示した商品を照合できるため、「出したつもり」「受けたつもり」に頼らず、検品・棚卸の段階で差異を見つけやすくなります。

在庫ズレの原因を、受払・移動・検品の履歴から追える体制にしませんか?

在庫が合わない状態を減らすには、所在と数量を表示するだけでなく、
受払履歴、積送在庫、移動未受、HHT・RFIDによる照合まで含めて運用を組む必要があります。
弊社のCreative Vision.NETでは、在庫管理、移動、棚卸、検品、分析までを一連の業務として確認できます。

▶ Creative Vision.NETの在庫ズレ防止機能を資料で確認する

9. まとめ:4原則は、在庫を使える数字にするための基準

在庫管理の4原則は、所在、数量、アクションの緊急度、先入先出の4つです。最後に、MD・DBが日々の運用で押さえたいポイントを4つにまとめます。

  1. 所在が分からない在庫は、すぐ売れる在庫として扱いにくい:店舗、倉庫、移動中、返品保留、引当済みを分けて見ないと、配分や移動の判断が止まります。
  2. 数量は実在庫だけでなく、有効在庫まで見る:引当済みや移動中を混ぜたまま見ると、在庫があるのに出せない、発注したのに余る、といったズレが起きます。
  3. 緊急度は、誰が次に何をするかで決まる:MDは投入、発注、値下げを見ます。DBは移動、補充、欠品対応を見ます。役割ごとに見る在庫を分ける必要があります。
  4. 先入先出は、古い在庫を売り切る運用として見る:入庫日、返品日、移動日、シーズンを追えないと、古い在庫が通常在庫に混ざり、滞留が見えにくくなります。

次にやる作業は、直近1週間で差異が出たSKU、欠品が続いたSKU、店舗から問い合わせが多かったSKUを10〜20件選ぶことです。
そのうえで、所在、使える数量、未処理の有無、古い在庫かどうかを同じ表に並べ、どの処理で止まっているかをMD・DB・店舗・倉庫で確認します。

最初の改善は大きな在庫改革ではなく、移動未受を消す、返品保留を戻すタイミングを決める、有効在庫の見方をそろえる、古い在庫を移動・値下げ候補に出す、といった小さな処理の修正です。
ここまで落とし込むと、在庫管理の4原則は標語ではなく、日々の在庫ズレを減らすための作業手順になります。

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